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Author: Matsuda Kenji <ftvda283@gmail.com>
Date: Tue, 14 Sep 2021 11:41:04 +0900
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Diffstat:
2 files changed, 19 insertions(+), 17 deletions(-)
diff --git a/inconsistencies b/inconsistencies
@@ -0,0 +1,3 @@
+コンピュータグラフィックス コンピュータ[ー]?グラフィック[ス]?
+グラフィックスプログラミング グラフィック[ス]?プログラミング
+グラフィックスAPI グラフィック[ス]?API
diff --git a/translation/Getting-started/OpenGL.html b/translation/Getting-started/OpenGL.html
@@ -28,15 +28,14 @@ OpenGLのライブラリを開発しているのは、おもにグラフィッ
KhronosはすべてのOpenGLのバージョンの仕様に関するドキュメントを公開しています。興味がある読者はこれからみなさんが利用するバージョン3.3の仕様を<a href="https://www.opengl.org/registry/doc/glspec33.core.20100311.withchanges.pdf" target="_blank">ここ</a>で確認できます。このページはOpenGLの詳細を理解するのに非常に役立ちます(実装ではなく結果ばかりが記述されていることを確認してください)。OpenGLの仕様は関数の<strong>正確な</strong>ふるまいを確認する文献としても重要です。
</p>
-<h1>unko</h1>
-<h2>Core-profileとImmediate mode</h2>
+<h2>Core-profileと即席モード</h2>
<p>
-古くは、OpenGLを利用するとは<def>immediate mode</def>(<def>fixed function pipeline</def>とも)で開発することでした。immediate modeはグラフィックを描写する簡単な方法です。OpenGLのほとんどの機能はライブラリのなかに隠され、開発者は演算の方法にまで深くは踏み込めませんでした。開発者は柔軟性を求めるようになり、それにともない仕様のほうも柔軟になりました。開発者がグラフィックの描画方法にに関してより多くのことを操作できるようになったのです。immediate modeは理解し使用するのは非常に簡単ですが、効率はかなり悪いです。そのため仕様はバージョン3.2からimmediate modeを廃止し<def>core-profile</def> modeを推奨しはじめました。core-profile modeでは廃止された古い機能がすべてとりのぞかれています。
+もともと、OpenGLを利用するとは<def>即席モード</def>(<def>固定関数パイプライン</def>とも)で開発するということでした。即席モードはグラフィックを描写する簡易な方法です。OpenGLのほとんどの機能はライブラリのなかに隠され、開発者は演算の方法にまで深くは踏み込めませんでした。開発者はしだいに柔軟性を求めるようになり、それに伴い仕様のほうも柔軟になりました。開発者がグラフィックの描画方法にに関してより多くのことを操作できるようになったのです。即席モードは理解し使用するのは非常に簡単ですが、効率はかなり悪いです。そのため仕様はバージョン3.2から即席モードの廃止に向かい、<def>core-profile</def>モードを推奨しはじめました。core-profileモードでは廃止された古い機能がすべて取り除かれています。
</p>
<p>
-core-profileを使うには新しい方法にしたがう必要があります。廃止された機能を使おうとするとOpenGLがエラーを出して描画を停止します。新しい方法の利点は柔軟性と効率のよさです。ただしその一方で習得するのが難しいです。immediate modeはOpenGLがおこなっている<strong>実際の</strong>操作の多くを抽象化しているので習得するのが簡単な一方、OpenGLが実際になにをおこなっているかを把握するのは難しいです。新しい方法ではOpenGLやグラフィックプログラミングについての理解が必要であるのですこし難解ではあるものの、柔軟性や効率のよさ、そして一番重要なことですが、グラフィックプログラミングに関するよりよい理解が得られます。
+Core-profileを使うには新しい方法に従う必要があります。廃止された関数を使おうとするとOpenGLがエラーを出して描画を停止します。新しい方法の利点は柔軟性の高さと効率のよさです。ただしその分習得するのが難しいです。即席モードはOpenGLがおこなっている<strong>実際の</strong>操作の多くを抽象化しているので習得するのが簡単な一方、OpenGLが実際になにをおこなっているかを把握するのは難しいです。新しい方法ではOpenGLやグラフィックスプログラミングについての深い理解が必要であるのですこし難解ではあるものの、柔軟性や効率のよさ、そして一番重要なことですが、グラフィックスプログラミングに関するよりよい理解が得られます。
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@@ -44,7 +43,7 @@ core-profileを使うには新しい方法にしたがう必要があります
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-今日、OpenGLのもっと新しいバージョンが利用できます(執筆時点での最新は4.6)。にも関わらずバージョン3.3を学習する意味があるのかと疑問に思うかもしれませんが、その答えは比較的簡単です。バージョン3.3より新しいものはすべて、このバージョンに便利な機能を追加したものであり、OpenGLの核となる部分は変更されません。新しいバージョンのものは以前と同じことをするうえでより効率がいい、あるいはより使いやすい方法を導入しただけです。考えかたややりかたはバージョン3.3以降かわらないので、このバージョンを学ぶことが有効なのです。バージョン3.3でOpenGLに慣れ親しめば、より新しいバージョンの機能を利用することは簡単です。
+今日、OpenGLのもっと新しいバージョンが利用できます(執筆時点での最新は4.6)。にも関わらずバージョン3.3を学習する意味があるのかと疑問に思うかもしれませんが、その答えは比較的簡単です。バージョン3.3より新しいものはすべて、このバージョンに便利な機能を追加したものであり、OpenGLの核となる部分は変更されません。新しいバージョンのものは以前と同じことをするうえでより効率がいい、あるいはより使いやすい方法を導入しただけです。考え方ややり方はバージョン3.3以降変わらないので、このバージョンを学ぶことが有効なのです。バージョン3.3でOpenGLに慣れ親しめば、より新しいバージョンの機能を利用することは簡単です。
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<warning>
@@ -52,12 +51,12 @@ core-profileを使うには新しい方法にしたがう必要があります
</warning>
<p>
-一部の章ではことわったうえで新しい機能を利用することがあります。
+一部の節ではことわったうえで新しい機能を利用することがあります。
</p>
<h2>拡張機能</h2>
<p>
-OpenGLの大きな特徴に、拡張機能のサポートがあります。グラフィックカードの製造者が新しい技術を導入したり、レンダリングを大幅に最適化した場合、それらの機能はドライバに実装されてる<def>拡張機能</def>によって提供されることが多いです。アプリケーションが動作しているハードウェアがそういった拡張機能をサポートしていれば、開発者はそれらを利用し先進的、あるいは効率のいい方法でグラフィックを描画することができます。このような最新の機能は、グラフィックカードによりサポートされているかを確認するだけで利用できるので、開発者はOpenGLにその機能が組込まれるのを待つ必要がありません。ある拡張機能が人気になり、あるいは便利であれば将来のOpenGLのバージョンに組込まれることになります。
+OpenGLの大きな特徴に、拡張機能があります。グラフィックカードの製造者が新しい技術を導入したり、描画を大幅に最適化した場合、それらの機能はドライバに実装される<def>拡張機能</def>によって提供されることが多いです。アプリケーションが動作しているハードウェアがそういった拡張機能をサポートしていれば、開発者はそれらを利用し先進的な、あるいは効率のいい方法でグラフィックを描画することができます。このような最新の機能は、グラフィックカードによりサポートされているかどうかを確認するだけで利用できるので、開発者はOpenGLにその機能が組込まれるのを待つ必要がありません。ある拡張機能が人気になり、あるいは便利であれば将来のOpenGLのバージョンに組込まれることになります。
</p>
<p>
@@ -72,7 +71,7 @@ if(GL_ARB_extension_name)
else
{
// 拡張機能がサポートされていない場合: 従来の方法を利用したコード
-}。
+}
</code></pre>
<p>
OpenGLバージョン3.3において拡張機能はほとんど必要ありませんが、利用する場合は解説を付けます。
@@ -80,7 +79,7 @@ OpenGLバージョン3.3において拡張機能はほとんど必要ありま
<h2>状態機械</h2>
<p>
-OpenGLはひとつの大きな状態機械だといえます: 各時点におけるOpenGLの動作を規定する変数の集まりだという意味です。OpenGLの状態は<def>コンテクスト</def>と呼ばれます。OpenGLでは、オプションの設定やバッファの操作により状態を変化させ、その時点のコンテクストを利用してレンダリングをおこないます。
+OpenGLはひとつの大きな状態機械だといえます: 各時点におけるOpenGLの動作を規定する変数の集まりだという意味です。OpenGLの状態は<def>コンテクスト</def>と呼ばれます。OpenGLでは、オプションの設定やバッファの操作により状態を変化させ、その時点のコンテクストを利用して描画をおこないます。
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@@ -88,16 +87,16 @@ OpenGLはひとつの大きな状態機械だといえます: 各時点におけ
</p>
<p>
-OpenGLでの開発において、コンテクストを変更する<def>状態遷移</def>関数や、現在の状態にもとづいてなんらかの操作をおこなう<def>状態利用</def>関数を利用することになります。OpenGLが大きな状態機械であるということを頭にいれておけば、さまざまな機能を理解するのが楽になります。
+OpenGLでの開発において、コンテクストを変更する<def>状態変更</def>関数や、現在の状態にもとづいてなんらかの操作をおこなう<def>状態利用</def>関数を利用することになります。OpenGLが大きな状態機械であるということを頭にいれておけば、さまざまな機能を理解するのが楽になります。
</p>
<h2>オブジェクト</h2>
<p>
-OpenGLのライブラリはC言語で記述されています。ほかの言語からの利用も可能ですが、核となる部分はC言語のライブラリのままです。C言語の言語構造は他の高水準の言語にうまく翻訳できないので、OpenGLはいくつかの抽象的な概念を念頭に開発されました。<def>オブジェクト</def>の概念がそのひとつです。
+OpenGLのライブラリはC言語で記述されています。ほかの言語への派生も存在しますが、核となる部分はC言語のライブラリのままです。C言語の言語構造は他の高水準の言語にうまく翻訳できないので、OpenGLはいくつかの抽象的な概念を念頭に開発されました。<def>オブジェクト</def>の概念がそのひとつです。
</p>
<p>
-OpenGLにおいて<def>オブジェクト</def>とは、OpenGLの状態をあらわしたオプションのあつまりです。たとえばウィンドウの描画にかかる設定をまとめたオブジェクトを作ることができます。このオブジェクトを通して、ウィンドウの大きさや表示できる色の数等を設定することができます。オブジェクトはC言語の構造体のようなものとしてとらえることができます:
+OpenGLにおいて<def>オブジェクト</def>とは、OpenGLの状態をあらわしたオプションのあつまりです。たとえばウィンドウの描画に係る設定をまとめたオブジェクトを作ることができます。このオブジェクトを通して、ウィンドウの大きさや表示できる色の数等を設定することができます。オブジェクトはC言語の構造体のようなものとしてとらえることができます:
</p>
<pre><code>
@@ -105,7 +104,7 @@ struct object_name {
float option1;
int option2;
char[] name;
-};。
+};
</code></pre>
<p>
@@ -130,12 +129,12 @@ glBindObject(GL_WINDOW_TARGET, objectId);
// 現在GL_WINDOW_TARGETに紐付いているオブジェクトのオプションを設定
glSetObjectOption(GL_WINDOW_TARGET, GL_OPTION_WINDOW_WIDTH, 800);
glSetObjectOption(GL_WINDOW_TARGET, GL_OPTION_WINDOW_HEIGHT, 600);
-// コンテクストの紐付けを初期状態に戻す
+// コンテクストの紐付けを解除
glBindObject(GL_WINDOW_TARGET, 0);。
</code></pre>
<p>
-上のような記述はOpenGLで開発をしているとよくみかけます。まずオブジェクトを作成しそれを参照するためのIDを記憶しておきます(オブジェクトの実際のデータは開発者からは見えません)。つぎに記憶したIDによりオブジェクトをコンテクストのうち設定したいものに紐付けます(上の例では<var>GL_WINDOW_TARGET</var>と紐付けています)。そしてウィンドウのオプションを設定し、最後に<var>GL_WINDOW_TARGET</var>と紐付いたオブジェクトのIDを<code>0</code>にすることで、オブジェクトとコンテクストの紐付けを解除します。設定したオプションは<var>objectID</var>によって参照されるオブジェクトに保持され、オブジェクトを<var>GL_WINDOW_TARGET</var>と紐付けることでいつでも復元できます。
+上のような記述はOpenGLで開発をしているとよくみかけます。まずオブジェクトを作成しそれを参照するためのIDを記憶しておきます(オブジェクトの実際のデータは開発者からは見えません)。つぎに記憶したIDによりオブジェクトをコンテクストのうち設定したいものに紐付けます(上の例では<var>GL_WINDOW_TARGET</var>に紐付けています)。そしてウィンドウのオプションを設定し、最後に<var>GL_WINDOW_TARGET</var>と紐付いたオブジェクトのIDを<code>0</code>にすることで、オブジェクトとコンテクストの紐付けを解除します。設定したオプションは<var>objectID</var>によって参照されるオブジェクトに保持され、オブジェクトを<var>GL_WINDOW_TARGET</var>と紐付けることでいつでも復元できます。
</p>
<warning>
@@ -143,12 +142,12 @@ glBindObject(GL_WINDOW_TARGET, 0);。
</warning>
<p>
-オブジェクトを利用する利点は、複数のオブジェクトを定義、設定しておけば、OpenGLの状態を操作するときにそれらのオブジェクトのなかから用途にあわせたものを選べることです。例えば家やキャラクター等の3Dモデルのデータを保持した複数のオブジェクトを定義しておけば、各オブジェクトを紐付けるだけで、そのオブジェクトが保持している3Dモデルが描画できます(最初に各3Dモデルに対してオブジェクトを作成し、必要なオプションを設定すればいいのです)。こうすることでたくさんのモデルを描画するときにいちいちオプションを設定しなおさなくてすみます。
+オブジェクトを利用する大きな利点は、複数のオブジェクトを定義、設定しておけば、OpenGLの状態を利用してなにかするときにそれらのオブジェクトのなかから用途にあわせたものを選べることです。例えば家やキャラクター等の3Dモデルのデータを保持した複数のオブジェクトを定義しておけば、各オブジェクトを紐付けるだけで、そのオブジェクトが保持している3Dモデルが描画できます(最初に各3Dモデルに対してオブジェクトを作成し、必要なオプションを設定すればいいのです)。こうすることでたくさんのモデルを描画するときにいちいちオプションを設定しなおさなくてすみます。
</p>
<h2>さあ、始めましょう</h2>
<p>
-ここまでOpenGLについてざっくりと学びました。OpenGLが仕様であり、ライブラリであること。OpenGLの内部がどのように機能するのか、またOpenGLをどのように扱うのか。すべてを理解できなくても心配はいりません。この本では各段階においてOpenGLを理解するのに十分な例が提示されます。
+ここまでOpenGLについてざっくりと学びました。OpenGLが仕様であり、ライブラリであること。OpenGLの内部がどのように機能するのか、またOpenGLをどのように扱うのか。すべてを理解できていなくても心配はいりません。この本では各段階においてOpenGLを理解するのに十分な例が提示されます。
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<h2>参考</h2>