20201003.html (7696B)
1 <!DOCTYPE html> 2 <html> 3 <head> 4 <meta charset="utf-8"> 5 <meta name="viewport" content="width=device-width,initial-scale=1"> 6 <link rel="stylesheet" type="text/css" href="/style.css"> 7 <link rel="icon" type="image/x-icon" href="/pics/favicon.ico"> 8 <title>何をして生きようか</title> 9 </head> 10 <body> 11 <header> 12 <a href="/">主頁</a> | 13 <a href="/about.html">自己紹介</a> | 14 <a href="/journal">日記</a> | 15 <a href="/farm">農業</a> | 16 <a href="/kitchen">台所</a> | 17 <a href="/computer">電算機</a> | 18 <a href="/poetry">詩</a> | 19 <a href="/books">本棚</a> | 20 <a href="/gallery">絵</a> | 21 <a href="https://git.mtkn.jp">Git</a> 22 </header> 23 <main> 24 <article> 25 <h1>何をして生きようか</h1> 26 <time>2020-10-03</time> 27 <h3>仕事</h3> 28 <p> 29 研究者を目指して大学に入り挫折した。 30 </p> 31 <p> 32 就職先を考えたが、やりたい仕事などそれまで考えたこともなかった。 33 そのためやりたいことを基準に仕事を選ぶことができなかった。 34 そこで考えたのが、なんのために働くかということである。 35 地元には親戚がたくさんいて正月や盆には大勢集まる。 36 サマーウォーズみたいな感じ。 37 残念ながら古民家に集まるわけではないが。 38 僕は家というものが好きだった。 39 大学を出てからの人生はその家を更に大きくすることにしよう。 40 そう考えた。 41 そしてそのための方法として選んだのが、実家が営んでいる 42 ダンボール工場を嗣ぐことであった。 43 そのために卒業後はまず同業大手で勉強させてもらい、 44 数年後実家に帰ることにした。 45 </p> 46 <p> 47 ところがいざ働き始めたらどうだろう。 48 何もやりがいがなかった。 49 回りにいるひととは全く反りが合わなかった。 50 労働環境は最悪だった。 51 生活環境も受け入れられなかった。 52 気づけばストレスで心身がボロボロになり、盆休み開けにとうとう寝込んだ。 53 </p> 54 <p> 55 仕事が嫌になった。 56 その原因について、はじめは成長が感じられないからとか、 57 無駄なことを無駄だとわかっているのに無理やりしているからとか、 58 いろいろ理由を分析してみたものっだったが、今思えばどれも違う。 59 単純に世間一般に広く普及している仕事というものに適正がないのだろう。 60 心療内科の医者によれば、僕の症状は適応障害だそうだ。 61 こんな世界に適応などしてたまるものか。 62 </p> 63 <h3>社会は嫌いだ</h3> 64 <p> 65 この社会に適応できないのは今に始まったことではないと思う。 66 </p> 67 <p> 68 京都から和歌山に帰省するたびに、大阪の町並みが汚いのが気になりだした。 69 駅の周りには鉄筋コンクリートの四角い箱が乱雑に並んでいるのである。 70 どれも建てられた当時は先進的なデザインでおしゃれだったのだろう。 71 そして駅から少し離れた場所にも同じくコンクリートの箱が並んでいる。 72 こちらは最近建てられたらしく、デザインも今風である。 73 30年建てば時代遅れの残念な物件になるのだろう。 74 こんな家を建てる人たちは一体何を考えているのやら。 75 人生で一番大きな買い物と言いつつ、ろくに調べもしないでハウスメーカーの 76 口車に乗せられ、モダンでおしゃれな家を建てる。 77 自分の建てた家に子々孫々住んでほしいとは思わないのだろうか。 78 </p> 79 <p> 80 ある時からスーパーに行くのがしんどくなった。 81 出町柳にある枡形商店街の近くに住んでいたことがある。 82 その間食事の買い物はほとんどそこに通っていた。 83 豆腐屋、肉屋、乾物屋等、専門店が一通り揃っていた。 84 扱っているものは当然そのへんのスーパーよりも美味しかった。 85 ある時伏見の方に引っ越して、久々にスーパーに通い始めたのだが、 86 これが非常にしんどかった。 87 音楽がうるさくて買い物に集中できないのだ。 88 なんだかよくわからない音楽がやたら大きな音で流れている。 89 夕飯を考えながら、美味しいものを選別しようとしている脳みそに、 90 その思考を遮るように流れてくるのだ。 91 だんだん頭がぼーっとしてきて、結局適当に選んでしまう。 92 スーパーでは音楽だけでなく、視覚的な表示も鬱陶しい。 93 商品のパッケージは周りよりも少しでも目立とうとするばかりで、 94 欲しい情報が一切目に入らない。 95 適当に選んで家に持って帰るが、結局対して美味しいものではない。 96 スーパーに並んでいるものは、本質的な価値ではなくマーケティングを始めとする 97 販促にかかるコストの割合が多いのだろう。 98 「美味しいワイン」。「リコピンが多いトマト」。「DHAが含まれているソーセージ」。 99 だまっとれや。 100 ただ、そういうものが多く売られているというのは、それはつまり 101 消費者がそういうものを購入すると言うことである。 102 同じものであってもパッケージに美味しいと書いていた方を買うのだろう。 103 スーパーでものを買って行く人々が、心理学に踊らされているだけのモルモットに 104 見えてきた。 105 こんな人たちの中に居たくない。そんなこと書いたら叩かれるかな。 106 </p> 107 <p> 108 スーパーがだめになれば他の店もかなり辛くなった。 109 結局ものを売るというのは同じことなのである。 110 自分でも驚いたが、スーパーにいけなくなってから、無印良品にも行けない。 111 よくわからん音楽が流れる中で、独自のおしゃれ感を作り出しそれを売っている。 112 物自体もそんなに質の高いものではないし。 113 そこに集う人たちも、雑誌でよく見るテンプレ通りの最近の若者である。 114 雑誌はあまり見ないので知らんけど。 115 </p> 116 <p> 117 この人たちは自分の内側から湧いてくる価値観というものを自覚したことが 118 あるのだろうか。 119 人工的に生み出された流行に踊らされているだけなのではないだろうか。 120 </p> 121 <p> 122 スーパーに行かなくなり、巷で流行っているものを消費しなくなり、 123 いよいよ自分がなぜ働いているのかわからなくなった。 124 </p> 125 <h3>やっぱ農家かな</h3> 126 <p> 127 世の中にはびこっている様々なものに価値を見いだせなくなったわけだが、 128 それでも買わないと生きて行けないのが食べ物である。 129 就職してからの半年間は食べ物には結構こだわっていた。 130 スーパーに行けないこともあり、学生時代に商店街に通っていたこともあり、 131 住処の周りにある個人商店やらを探し回った。 132 家から徒歩圏内に豆腐屋と魚屋を見つけた。 133 野菜は鎌倉の即売所まで買いに行った。 134 米も鎌倉の米屋に求めた。 135 乾物も鎌倉だ。 136 休みの日は結構な時間と労力を食べ物に投資していたと思う。 137 美味しいものを食べてこその人生なのである。 138 </p> 139 <p> 140 やっぱり農家になりたいな。 141 </p> 142 </article> 143 144 </main> 145 <footer> 146 <address>info(at)mtkn(dot)jp</address> 147 <a href="http://creativecommons.org/publicdomain/zero/1.0?ref=chooser-v1" rel="license noopener noreferrer">CC0 1.0</a> 148 </footer> 149 </body> 150 </html>