www.mtkn.jp

Manuscripts for my personal webpage.
git clone https://git.mtkn.jp/www.mtkn.jp
Log | Files | Refs | LICENSE

keitai.html (5148B)


      1 <h1>携帯電話を持たない生活</h1>
      2 <h2>はじめに</h2>
      3 <p>学生の頃僕はスマートフォンをよく利用していた。今時の一般的な利用頻度だったと思う。LINEやSNSのアプリをインストールして利用していたし、ニュースや動画もよく閲覧していた。</p>
      4 <p>学生生活も終わりに差し掛った頃、仕送りの残高の確認を怠ったことから一時お金に困ったことがある。親に泣き付くこともできただろうが、間も無く社会人になるこの時期に一度、出費の整理をしようと思いたった。家の中を見渡せばどれもこれも無駄なものばかりが溢れていた。物を片っ端から捨て、買う物を厳選するよう心掛けた。この時に携帯の料金も当然目に付いた。月に何千円も払ってるのがあまりにも無駄に思えた。かと言って電話が使えないのは少し困る。就職先との連絡にも使うかもしれない。この時は携帯電話を完全に解約することは考えず、ただ電話だけのプランに変更した。然しキャリアと少しトラブルがあり、楽天モバイルのサービス開始とも時期が重なったのでそちらに移行することにした。その後すぐ会社を辞めて実家に帰ることになったが、家ではwifiに繋ぎ、外にはほぼ持ち出さないのでずっと無料で使えていた。ところが最近になった突然無料プランが廃止されることになった。</p>
      5 <p>今携帯電話はほとんど使っていない。家に置きっぱなしだし、その家ではwifiがあるので携帯電話の通信は必要ない。なにより僕はこのスマートフォンという機械が嫌いである。root権限を得られず、無駄なアプリが沢山インストールされており、削除することすらできない。更にGoogleのアカウントが無いと満足に使うこともできない。僕はこのハードウェアを購入しただけの積りだったが、どうやら知らぬ間にGoogleとの契約を交してしまったようだ。また、パソコンに慣れているということもあり、タッチパネルが苦手である。年老いたものだ。兎に角どこを取ってもこの機械を持ちたくない理由ばかりである。こんなものの為に毎月千円払うのはなんとも虚しいのだ。</p>
      6 <p>とは言っても電話番号を捨てるのは少しばかりハードルが高かった。SMSによる二段階認証が必要なサービスをいくつか利用していたのだ。然し最近やたらあちこちに自分のアカウントが散らばっているのが気になり、少しずつ解約を進めていた。そして今、パソコンに保存していたパスワードを頼りに使わないものを一通り解約し終わった。これで携帯電話を解約できるはず。</p>
      7 <p>ところがスマートフォンにはLINEが残っていた。アカウントには携帯の電話番号が登録されている。インターネットで検索したりLINEに直接問い合わせたが、どうやらこの番号は消せないようである。丁度良い機会なのでLINEのアカウントも削除してしまおうと思い、した!</p>
      8 <p>胸がすく。</p>
      9 
     10 <h2>Apple、Google、Microsoft</h2>
     11 <p>今の日本に於て携帯電話を持っていないのは異常である。そしてほとんどの携帯はスマートフォンである。スマートフォンのOSと言えばiOS若しくはAndroidがほとんどである。前者を利用するにはAppleのIDが、後者はGoogleのアカウントがそれぞれ必要である。つまりほとんど全ての日本人がAppleかGoogleに紐付いていると言える。もちろん他の選択肢も無いことはないが、それらを利用している人数はほぼ無視できるだろう[要出典]。パソコンの方に目を向けて見ても同じようなものである。最近Windowをインストールして利用するにはMicrosoftのアカウントが必須になったようだ。他のOSはAppleかGoogleのものであるので同じことである。ただしパソコンはLinuxやBSD、Plan9等もあるのでスマートフォンよりは圧倒的にましではある。</p>
     12 <p>世の中の流れとは、あるいは世論とは、本来その世の中に生きる一人一人が作り出すものである。各自が自身の内面からくる欲望と、身近な人への配慮との間に自分の行動が発生するはずだ。ところが今、そういった世の流れはどこか遠くからやって来て、自分達はただその波にゆられるだけである。自分自身が波に影響を与えることがないと多くの人は思っているのではないか。ほんの少し前まではその波はテレビだったり新聞だったりが起していた。ところが今はインターネットに溢れる広告やら検索結果やらで知らぬ間に脳の中に入り込んでいる。</p>